こどものくすり

授乳期であれば、水に溶かしてスポイトなどでゆっくり口の中に入れたり、ペースト状にして、口の中に擦り付けて水で流し込ませたりする方法があります。ただ、ミルクに混ぜて飲ませると、味が変わり、ミルクを嫌うことがありますので注意してください。また、ミルクを飲んだ後は、満腹になって薬を飲まなかったり、ミルクと一緒に吐いてしまったりすることがあります。おなかが空いている時やミルクを飲む前など、薬を飲むタイミングをずらすこともひとつの方法です。
離乳期以降であれば、それ以外に、飲食物に混ぜたり、お団子にしたり、ゼリー状オブラートで包んだりして飲ませる方法があります。

1.粉薬をキャップ・コップに取り出す。
2.少量（粉1gあたり約1ml～2ml）の水を加え、均一になるまで混ぜる。
お薬によっては、「均一に混ざる」、「完全に混ざらずに一部残る」、「溶けない」場合があります。「完全に混ざらずに一部残る」ものは、少量の水を加えるか、お湯で溶いてみるとよいでしょう。「～細粒」は、「～DS」よりも溶けにくいので、少し多めの水分で溶かすのがポイントです。 「溶けない」ものは、少量の水に混ぜるイメージで飲ませてみましょう。
★1gの粉を溶かすのに必要な水の量　＜医薬品別一覧＞
多めの水に溶かせば溶けやすくはなりますが、それを全て飲まなければならないので、必要最小限の量で溶かすのがポイントです。
3.スポイト・スプーン・キャップで飲ませる。
離乳食が進んでいる場合は、スプーンでゆっくり流し込みます。 スプーンを舌で押し出してしまう場合には、スポイトの方が良いでしょう。 スポイトで飲ませる場合には、スポイトを頬の内側と舌の間の隙間に入れて少しずつ垂らすと味を感じにくくなります。嫌がる時は、しっかり抱きかかえて固定して下さい。 一度に沢山入れるとむせてしまったり、吐いたりしてしまうので注意して下さい。

1.手を清潔に洗った後に粉薬を小さな器に取り出す。 2.水をスポイトで1～2滴垂らし、素早く指で練る。
濡れた手だと、水の量が多くなりがちになる場合があるので注意して下さい。 粉を中心に集めるようにして、素早く練っていきます。 3.様子を見ながらさらに、1滴ずつ追加する。
水を一度に加えすぎるとお団子にはなりませんので注意して下さい。 4.お好みの硬さと大きさにする。
乳幼児であれば、離乳食の進み具合に応じて、ペースト状やお団子にするかを決めると良いでしょう。お団子にするのであれば、耳たぶ程度の硬さがベストでしょう。
★1gの粉をペースト状～お団子にするのに必要な水の滴数　＜医薬品別一覧＞
5.頬の内側、上あごに張付けて水で流し込む・そのまま飲みこませる・食べ物に混ぜる。
離乳食前であれば、ペースト状で頬の内側、上あごに擦り付けて水で流し込む方法が良いと思います。 離乳後であれば、飲みこめる程度の大きさの団子にして、水で流し込んだり、食べ物にまぜたりして飲ませると良いと思います。

1.お好みのゼリー状オブラートを選択する。
ゼリー状オブラートには味の種類がいくつかあります。フルーツ系の味と混ぜると苦みを増すような相性が良くない薬もありますので注意が必要です。 2.ゼリー状オブラートを少量取り出す。
食べきれる量に混ぜましょう。沢山取り出すと食べさせるのが大変です。 3.ゼリーとゼリーで粉薬を挟み込む。
振りかけるよりも挟み込んだ方が薬の味が隠れます。 粉のままでも良いですし、ペースト状やお団子にして混ぜても良いでしょう。
4.少しずつ食べさせる。
寝たままの姿勢で飲ませると、のどにつかえることがあるので、必ず上体を起こして服用させてください。お薬を飲ませた後は、ゼリーのみで口直しをしてあげても良いと思います。

食品と混ぜることで味が悪くなることがわかっていたり、薬効に問題がなくても見た目に変化をおこしたりする場合は、混ぜて飲ませることは避けた方がよいでしょう。その他の問題がない場合には、混ぜて服用しても差し支えありません。下記の表をご参考下さい。あくまでも味覚には個人差がありますので、ご了承下さい。

医師により処方された薬は、診断により必要日数が処方されていますので、特に指示がない限り、余らないようにきちんと服用しましょう。似たような症状が再発したと思っても、実際は前回と異なる病気であることがあります。また、小児の場合、成長により、服用する薬の量も変わります。これらのことから、万が一薬が余ってしまった場合でも、自己判断で勝手に薬を服用しないよう、不要になった薬はその時点で廃棄するようにしましょう。